11月14日(月)本校体育館にて、1,2年生を対象に「松蔭アカデミー」を開催しました。今年度は、松蔭高校36回生(S59卒)の横田浩一様をお招きし、「SDGsとキャリア教育」と題して、後輩たちに向けて講演を行っていただきました。横田様は、(株)横田アソシエイツ代表取締役、一般社団法人アンカー共同代表理事として、中学・高校における総合的な探究の学習の時間を活用したプログラム展開するなど、探究型教育を通じてキャリア・アンカー(自らのキャリアや働き方を選択する際にどうしても譲れない「価値観」であり、生涯に渡り自分の働き方の軸となるもの)を見つける手助けをされています。また、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科の特任教授でもあり、SDGsを対象とした中高生向け動画コンテスト「#SASS ~大学生による中高生のためのSDGsサスティナビリティーアワード」の企画・運営にも御尽力されています。横田先生のお話(授業)は、高校時代の恩師との書簡のやり取りや大学のゼミの学生たちの夢や仕事のお話から始まり、人生100年時代のキャリアの考え方について生徒たちにいくつもの実例をあげて問いかけていきました。今の時代の安定とは自分の実力をつけること、自分の生き方を自分で決断することが大切。夢や転職が2~3回あって当たり前、でもそのためには、まさに今、努力してみることが必要なのだと強調されていました。転職市場での自身の価値は、①専門性:自分は何ができ、どんな経験があるのか?②人的ネットワーク:誰を知っているのか?人を動かすことができるのか?③生き方・価値観:自分にとって大切なものは? の3つで決まる。起業を目指す人たちに求められることも同じ。その価値を身につけるためにも、①自分は何者か?②VISION:将来どうありたいのか?③WILL:そのために何をすべきか?の3つを詰めていく必要がある。なぜなら、人生を通して夢や仕事が変わることがあっても、この3つは自分にとって変わらないものだから・・・。高校生の皆さんが自分自身をもっと知るために、ライフラインチャートやマイライフシートを作ってみることも紹介してくれました。(シートの記入用紙はこちらから)横田先生のゼミの学生は確かに優秀な人たちばかりですが、そうした人ほど将来について悩んでいて、自分のコンプレックスを強みに変えてみるなど、しっかりと自分の生き方を考えていることが分りました。今皆さんが、何のために努力しているのかが少し見えてきて、勇気がもらえたのではないでしょうか。授業の最後は、“課題解決のための発想の基本”についてでした。社会課題(身近な誰かを想像して、その人がちょっぴり幸せになること)を考えてみることが、キャリアを考えるきっかけになり、自分で考え、行動できるようになっていけるからです。 まずは、何となく感じたことや気になっている”もやもや”(0次情報)を自分なりに言葉(1次情報)にしてみることから始めて、それをネットや本(2次情報)で調べて検証してみる。実験・実習・調査もこの段階。その過程で、グループで互いに比較したり、誰か専門家や大学生から意見をもらっても良いでしょう。私も生徒の皆さんが気軽に意見交換ができるように、大学の先生や大学生の先輩などと学校との間で人的ネットワークを充実させていくことが必要だと思いました。探究活動とは、他人が作った情報をネットで調べて発表することではなく、はじめの“もやもや(0次情報)”を言語化(1次情報)して2次情報で検証していくことが大切なのです。これを繰り返すことで“自分にしか語れない体験や経験”として深まっていくのです。大学もこうした“自分にしか語れない体験や経験”を評価する「総合選抜型入試」が今後も増えてくるというお話でした。今回、横田先生の授業から生徒たちはもちろん、我々職員も多くの気づきをいただくことができました。講演会の中で「松蔭高校の卒業生で良かった」と語ってくれた横田先生。お忙しい中、ご来校いただきまして感謝申し上げます。本当にありがとうございました。(校長)横田様(左)、同級生の大橋教頭(中央)、同窓会長の星野様(右)と校長室にて
最終更新日 2022年11月23日